- セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)とは
- セントジョーンズワートは薬ではなくサプリメント
- セントジョーンズワートの科学的根拠
- セントジョーンズワートの効果・作用機序
- セントジョーンズワートの副作用と注意事項
- 飲み合わせに注意したい相互作用のある薬剤
- セントジョーンズワートの口コミ
- おわりに|効果や副作用には個人差がある
セントジョーンズワートの効果や副作用、他の薬との相互作用について詳しく解説します。
セントジョーンズワートの効果や副作用については2018年現在も多くの研究がなされていますが、情報のほとんどが公的機関の膨大な文献に埋もれていて、一般人が欲しい情報を見つけることが難しいのが実情です。
そのため、この記事では海外の研究論文や厚生労働省の調査に基づいた情報を一般の方でもわかるようにまとめましたので、ご覧ください。
セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)とは
引用:公益社団法人東京生薬協会:http://www.tokyo-shoyaku.jp/modules/webphoto/index.php?fct=photo&p=784
セントジョーンズワートとは、別名セイヨウオトギリソウと呼ばれる、ヨーロッパ原産でアジア・北アフリカに生息する多年草です。
中国では「貫葉連翹」と呼ばれています。
セントジョーンズワートは何世紀もの間、精神状態を安定させるために用いられてきた植物で、ヨーロッパでは抑うつ症状に対して薬として処方されています。
セントジョーンズワートの有効成分は「ヒペリシン (hypericin) 」と「ヒペリフォリン (hyperforin) 」です。
セントジョーンズワートは薬ではなくサプリメント
セントジョーンズワートは薬ではなくサプリメントです。
薬は病気の予防や治療を目的としたものなので、名称・成分・効果効能・副作用・用法・用量などについて、厚生労働大臣や都道府県の知事から正式に承認を受けたものです。
一方サプリメントは、正確には食事で不足しがちな栄養素を補うことを目的としたものなので、病気や症状の治療・予防を目的とはしていません。
サプリメントの定義について、厚生労働省では次のように述べています。
一般に、健康食品とは「健康の保持増進に資する食品全般」が、またサプリメントとは「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」がそれぞれ該当すると考えられています。しかし、明確な定義がないため一般の消費者が認識している健康食品やサプリメントは、通常の食材から、菓子や飲料、医薬品と類似した錠剤・カプセルまで極めて多岐にわたります。
引用:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/pamph_healthfood_d.pdf
セントジョーンズワートは「サプリメント」の部類に入るので、正確には医薬品としての効果は認められていません。
しかし、セントジョーンズワートは通常のサプリメントとは異なって少し特殊で、サプリメントの中でも医薬品に近い性質を持っています。
そのため、セントジョーンズワートを使用するときは、副作用や併用する薬についてよく調べてから使用する必要があります。
セントジョーンズワートの科学的根拠
セントジョーンズワートの科学的根拠については、さまざまな国で研究が実施され、うつ病に対する有効性を報告する研究が複数ありますが、逆に有効性を認めなかった事例もあります。
医師が処方することも多いドイツ語圏で行われた研究では、セントジョーンズワート抽出物はプラセボよりも優れていて、標準的な抗うつ剤と同等の効果を得られる上に、副作用も少ないという結果が出ました。
しかし、アメリカの国立精神衛生研究所で実施された調査では、セントジョーンズワートは小うつ病の症状に対してプラセボと同等の効果しか得られなかったという結果が出ています。
現状、セントジョーンズワートの効果の科学的根拠については国や研究機関によって意見が割れていますが、日本においてはセントジョーンズワートの抽出物は、抑うつに対してはおそらく有効であるとされています。
セントジョーンズワートの効果・作用機序
セントジョーンズワートは、軽度から中等度の症状を有するうつ病の抑うつ症状への効果が期待されていますが、大うつ病と呼ばれる重度のうつ病については効果が認められていません。
また、イライラや不眠などの更年期障害や自律神経失調症、ストレスの緩和にも効果が期待されるとされています。
セントジョーンズワートの効果発現に関わるメカニズムについては現在もまだ研究段階で不明な点が多いのですが、含有成分のヒペリシンやヒペルフォリンがSSRI系の抗うつ剤と同様にセロトニンの再取り込み阻害をしているのではないかと言われています。
セントジョーンズワートは抗うつ薬の代替として有用なハーブサプリメントではありますが、製品やロットによる成分含量の違いが期待される効果に影響を及ぼすこともあります。
セントジョーンズワートの副作用と注意事項
通常、サプリメントはあくまで栄養補助食品であるため、正確には副作用というものは存在しませんが、セントジョーンズワートの場合は例外で副作用があります。
副作用
現在、発見されている副作用としては次のようなものがあります。
・不安感
・口渇感
・めまい
・消化管症状
・倦怠感
・頭痛
・性的機能障害
・不眠
・皮膚のかゆみ
・めまいなど
なお、抗うつ剤と併用した場合は、セロトニンに関連した副作用の発現率が高まり、重篤化するおそれがあるので注意が必要です。
使用上の注意事項
セントジョーンズワートは、妊婦・授乳中の母親・子供についての安全性情報はほとんどないため、使用する際は医師または薬剤師に相談の上で使用しましょう。
飲み合わせに注意したい相互作用のある薬剤
セントジョーンズワートは多くの薬剤と相互作用を示すサプリメントです。
セントジョーンズワートを使用する際は、服用している薬に影響しないかを事前に確認しましょう。
セントジョーンズワートと相互作用がある可能性のある薬は次のようなものがあります。
・抗うつ剤
・経口避妊薬
・シクロスポリン(免疫抑制薬)
・ジゴキシン(心臓病薬)
・インジナビルおよびその他のHIV感染症治療薬
・イリノテカンおよびその他の抗がん剤
・抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタールなど)
・テオフィリン(気管支拡張薬)
・ワルファリンおよび類縁の抗凝固剤
・その他薬剤(抗不整脈薬、血液凝固防止薬など)
上記の薬を使用している場合は、必ず医師に相談の上でセントジョーンズワートを使用するかどうかを決めましょう。
セントジョーンズワートの口コミ
セントジョーンズワートに関する研究はまだ発展途上ですが、実際にセントジョーンズワートを使用して効果があるのかを知るための一つの指標としては、口コミを知ることも大切です。
セントジョーンズワートで手軽に使えるのはDHCのサプリメントなので、Amazonの口コミをまとめました。
肯定的意見
元うつ病患者で今は通院はしていないもののメンタルが弱く落ち込みやすいです。
職場でのストレスやダイエットのしすぎでメンタルが不安定になったためサプリを探してこちらにたどり着きました。
最初は本当に効果があるのか疑っていましたが、飲み始めてからかなり精神的に安定し、訳もなく落ち込んだり、生理前後にメンタルが不安定になることが無くなりました。
たまに今日不安定だなと思うと1.2日前から飲み忘れていたりするので本当に効果はあるんだなと気付かされます。
本当に症状がひどい人は悪化する前にちゃんと心療内科にかかるべきですが、毎日の精神面の底上げとしてはかなり使えると思います。またリピートします。落ち込みやすい人やダイエット中、生理前後に不安定になる方は試してみてください。
仕事のストレスで気持ち悪くなるくらい背中が痛くなり、又、喉の奥が常につっかえてる感じや時々吐き気もある状況でした。 様々な対ストレス用の市販薬を飲みましたが効果はなく、ペインクリニックに行き、ブロック注射を3回受けましたが効果なく、途方に暮れていました。 そんな時、ネットで調べていてこのサプリメントを知りました。 安いし、ダメ元でって感じで購入し、試したところ、ふと気が付いたら背中か辛い痛みが全くなくなっていました。それから規定量プラス1掟を毎日使しています。今はほとんど痛みはありません。 個人差はあると思いますが、私と似たような症状がある方は試す価値があります。
否定的意見
藁にもすがる思いで購入しましたが、うつ病歴9年目に入る私には合わないようでした。このせいかどうかは定かではありませんが、数日で、余計に体調が悪くなり、服用をやめてしまいました。もう少し状態のよいときにでも試せたらと思ってはいます。ちょっと残念です。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を服用してる人はセロトニン症候群を引き起こす可能性があるので飲むべきではない、との事です。 もっと調べてから購入すれば良かったです。
と言うか、注意事項で記入しておいて欲しかった。
睡眠導入剤など、色々試して体に合わず、サプリならどうかと試してみましたが、一錠飲んだだけで気持ち悪くなりました。 二日酔いの酷いのみたい。動悸もあります。
私はそれだけで済みましたが、もっと酷い症状にもなり兼ねないみたいなので(詳しくはセロトニン症候群で調べてみて下さい)該当の方は飲むのをやめておいた方が良いです。
逆に言えばそれだけ効果が期待できる事でもあると思うので、薬を服用しておらず、少し気分が落ち込んでる人には良いのかも知れないですね。
筆者感想
私も実際にセントジョーンズワートを使用継続しています。
感想としては、一日4錠を朝と昼二回に分けて食後に飲んでいて、飲んでいない時と比べて抑うつ気分が楽になる実感があります。
効果には個人差があると思いますが、私には合うようでした。
あくまで個人の感想です。でも個人的にはおすすめですので、試してみる価値はあると思います。
おわりに|効果や副作用には個人差がある
セントジョーンズワートは重度のうつ病への効果は認められていません。
また、セントジョーンズワートがどの程度効果を示し、どの程度の副作用が現れるのかにも個人差があります。
セントジョーンズワートを使用してもうつ病の症状が改善しないようであれば、精神科あるいは心療内科を受診して適切な治療を受けましょう。
心療内科に行くことへのハードルが高い場合は、私が心療内科に行った体験を記した記事がありますので、こちらの記事をご覧ください。
私個人としてはセントジョーンズワートの効果については肯定的な意見を持っているので、もし抑うつ気分で悩んでいるようであれば一度セントジョーンズワートを試してみることをおすすめします。
[容量が多い方を試したい場合はこちら]