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凸凹だっていいんだよ|大切なことはパワプロ君に学んだ

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幼い頃、僕はスポーツが嫌いでした

 

町内の草野球をやっていましたが、始めた理由は「子供のうちから少しでも体力をつけるため」。決して「楽しそうだから!」「やってみたい!」という前向きな気持ちで始めたわけではありませんでした。

 

スポーツも野球もそこまで好きじゃないから実力もそれなり。練習や試合でもヘマばかりするから後輩に馬鹿にされる日々を過ごしていました。正直、毎週末の野球の練習が嫌で仕方ありませんでした。(じゃあ辞めろよ!って今の僕なら当時の僕に張り手するところですが、張り手の跡が未来の自分にも残るのが嫌なので許しました)

 

同学年の友達は僕が野球をやっていることを知っているので、体育の時間周りからは「運動ができる人」という期待をグサグサと刺されていました。いい子ちゃんな僕はその期待に答えようと足掻くのですが、それも空回りでミスしまくりで恥をかく。さらにスポーツが嫌いになる悪循環に陥っていました。

頭が良く、将棋が好きだった 

一方そんな僕には取り柄があって、自分で言うのもなんですが頭はそれなりに良かったのです。(正直それは勉強が好きな性格に生んでくれた親に感謝)

小学校のテストも常に満点だし、中学の時もテストの成績が常に学年150人中10位前後をキープしてました。高校も進学校でバリバリ!(頭いいね!素晴らしい!褒めて!投げ銭待ってる!)

 

頭を使うことが好きだったので幼稚園の頃から将棋にハマっていました。あまりに好きなので小学校入学時の祖父からのプレゼントは将棋セットです。持ち運びできる盤面と駒のセットです。一緒に買いに行ったのを今でも覚えています。

 

小学生時代は暇があったら父親や祖父と将棋をしていました。3年生になる頃には父親には負けなくなり、5年生で祖父にも負けなくなりました。同級生ともやりますが負けたことがありません。

そのうち僕が将棋好きなのが先生に知れ渡り、なぜか小学校の教頭先生とやりあうこともありました。(勝ち局面でチャイムが鳴って下校という悲しい記憶)

友達の父親がお医者さんでかつ将棋のアマ4段と聞いたので1回だけ戦ったのですが、ボロ負けだった悔しい記憶も覚えている。

 

ーー当時そのくらい将棋が好きだったのに、弱かった体力をつけることを目的として野球を始めました。好きな方向にパラメータを特化させれば良かったんですが、知力・体力を満遍なく上げようとしてしまったんです。

 

まあ、そのおかげで中学高校でハンドボールを始めたことによってスポーツの楽しさと奥深さを味わうことができましたがそれはまた別のお話・・・

大学卒業手前で入院、自分との向き合い

時間は飛んで大学4年の冬、僕は肺に穴が空いて入院しました。3週間の入院期間の末退院。(無事とは言っていない。そして後に再発。。)

流れは忘れてしまいましたが退院して1週間後、友達の紹介である人と出会うことになりました。僕より年が一つ上の起業家の方です。渋谷にあるヒカリエの、当時LINEのオフィスがあったフロアで会いました。

 

ーーあ、先に言っておくとMLMとかの怪しい勧誘とかじゃないので安心して読んで!笑

流れ的にそんな誘導文みたいに見えたのであらかじめ補足ーー

 

彼とは将来どんなことをして生きていきたいの?といったような話をメインにしていた中で、話の流れから「どんな力をつけていきたいの?そのためにどんな本を読みたいとかあるの?」という話題になりました。

 

当時の僕は、その質問に戸惑いました。

自分が具体的にどう生きていけばいいか定まってないし、どんな本を読んだらいいかもわからない。もし、好きな本や興味がある本ばかり選り好みして読んでいたら知識が偏ってしまうかもしれないから、僕は怖くてどうすればいいかわからないと答えました。すると彼にはひどく呆れた顔をされたのを覚えています。

 

「誰の期待に応えようとしているの?」

「"君"は何がしたいの?」

 

そこからはほぼコーチングを受ける形でこの話題に終始しました。その時くらいですかね、僕が"誰か"のためにいい子を演じ続けていることに気づいたのは。

 

 

彼と別れてから数ヶ月もの間、僕は僕がどう生きていきたいのかについて悩み続けました。(今も考え続けてるかな)

僕はこれまで得意なことを伸ばさずに苦手なものをなくそうと必死になっていたな、一体これまでどれほどの機会損失をしてきたのだろうと。

パラメータを全体的に伸ばそうとしている自分を俯瞰してみた時に、自分の姿がパワプロ君のストーリーモードと重なるなと感じました。

 

当然のごとくパワプロ君というワードを使ってしまいましたが、パワプロ君というゲームを知っていますか?

パワプロ君は、正式名称「実況パワフルプロ野球」と呼ばれ、デフォルメされた実際のプロ野球選手を使って遊べる野球ゲームです。

2人プレイで遊べるモードもあるのですが、代表的なのが自分で選手を育成できるストーリーモード。自分が一流のプロ野球選手になるために、甲子園を目指したりライバル校と一戦交えたりしながら、高みを目指して鍛えていくという主旨のゲームです。

 

僕はそのゲームでキャラを育てる時、打者ならパワーやスピードにステータスを全振りしたり、投手ならコントロール重視で鍛えたりするのではなく、どのステータスも満遍なく鍛えていました。

その結果、全ての能力がC〜B程度(F→E→D→C→B→A→Sの順に強くなる)のなんの取り柄も無い選手が出来上がり、結局何度やってもストーリーモードで強い選手を作り上げることができませんでした。

 

僕の人生の歩み方がパワプロ君のストーリーモードの進め方とほぼ同じであることに気づいた時、これまで僕はとてももったいない生き方をしてきたなと後悔の念に駆られました。

それと同時に、僕は僕が伸ばしたいところをただひたすらに伸ばせばいいんだ、短所は短所として認めてそれを態々補おうとする必要はないんだと気付きました。

自分の得意分野を伸ばすことで短所の割合を薄める or 短所が霞むくらい長所を伸ばし切ればいいんだと。

 

その時くらいからですかね、僕が興味のある本だけをあさり始めたり、ブログやSNSで自分の考えを意識的に発信し始めたのは。そこから少しずつ、自分の人生の楽しみ方が本当に少しずつわかってきました。

オールマイティにならなくてもいい

能力のパラメータの振り方って十人十色、万人万色、億人億色だと思うんです。

このくらいまで点数取れなきゃいけない、最低でも1kmを5分以内に走れる力がないといけない、正社員じゃないといけないとかそういうのないんです。

 

事業を作り上げることができなくてもいいし、バリバリ稼ぐ力がなくても構わない。特技がなくてもいいし、人間関係が希薄でもいい。

 

野菜が食べれなくてもいいし、ゲームが下手でもいい、スタバに行けなくてもいいし貯金が0でもいい。

 

何もかも全部できる人なんていないし、自分の短所を埋めることに力を全振りしたらそれだけで人生なんか終わる。すぐ終わる。100年は一瞬です。100年あれば多い方で、もしかしたら明日かもしれない。

 

短い100年あるいはそれより短い時間を辛く、苦しく、自分の短所だけに向き合って人生を過ごすより、自分が好きなあるいは得意なことを伸ばすことに集中して過ごしたり、好きな人と過ごす方がずっと素敵だと僕は実感しています。

 

どうせ苦しむなら得意を伸ばすことに苦しみたい。もっと心に刺さる文章を書くにはどうしたらいいだろうとか、どうすれば自走できる組織を作り上げることができるだろうとか、自分がやりたい・やってみたいことに頭と心を使い切りたい。

 

僕はこれまでの30年間の多くを、ひたすらに凹を□にする作業に没頭してきたことに費やしてきた。だけどこれからは凹は凹のままでもいいから、凸をどんどん伸ばしていくことに使っていきたい。