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優しさになれていない人

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先日、小学生時代の幼馴染みとトリキこと鳥貴族に行ったときのこと


入店時間が早めだったのもあり、店内はガラガラ


5人で入った僕らに案内されたのは8人掛けの席


「こんなに広くていいんですか?」

と聞いたら


『ええ、空いてるんで使ってください』


とのお返事


これはラッキーと腰を落ち着けた


──30分後、やや店内が混んできた


すると店員さんがやってきて、なにやらもぞもぞしながら


『もし、もしなんですけど、5人掛けの席が空いたらそちらに移動することってできますか?』


と提案した


僕らとしては全然構わないので


「いいですよ。人が増えたら8人掛けの席を他の人に使ってもらった方がお店としてもいいでしょうし、いつでも声かけてください」


と伝えた


すると店員さんは


『え。。。お客さんって、もしかして飲食店の方ですか?』


と驚いた


5人で顔を合わせて
「いえ」
と答えると


『そうなんですか!?お店のことを考えてくれてたのでてっきり飲食店経験者かと思いました。。。ありがとうございます!』


と言い残して去っていった


ポカンと残された僕らは
「あの人は大変な思いをしてきたのだろう」
と類推した後、もとの話題に戻った


───それから2時間後


「あれ?もうこんな時間か。早いな」


友達の一人が言った


入店してから2時間半が経過している


楽しい時間はあっという間だなぁと、皆で共感しあっていたとき、周りの変化に気付いた


店内のあちこちでお客さんがワイワイと賑わい、レジの前には数組のお客さんが今か今かと入店を待ちわびていたのだ


こんなに混んでたのか!悪かった!
と思いつつも疑問に思った


ここは2時間制なのに一言も声がかからないことはおろか、ラストオーダーすらいただいていない


そこで僕らは気付いた
あの店員さんの取り計らいではないかと


なんという優しさ
そのひと気遣いが僕らをリピーターにさせたのは言うまでもない(既に10回以上利用しているが)


帰り際、店員さんと目が合い、ぺこりと会釈をし
優しさになれていない僕らは、足早に次の店へと歩を進めた