僕は、かるた会の会員として競技かるたをやっています
ちゃんと入会試験も突破した立派な会員です
(今は幽霊部員なのは内緒です!)
競技かるたの世界はとても奥深く
競技かるたで学んだ技術や精神性が仕事に活かせることが多々あります
競技かるたって何?
競技かるた(きょうぎかるた)とは、小倉百人一首を用いて、社団法人全日本かるた協会が定めた規則に則って行う競技である
引用:ウィキペディア
日本人なら一度はやったことがある百人一首(たぶんね!)
広瀬すずさん主演の映画にもなった漫画『ちはやふる』で
一気に知名度があがったのではないでしょうか
かるたの札はどれも31文字で構成されていることから
競技かるたの世界では
三十一文字(みそひともじ)の熱き闘い
と表現されたりもします
競技かるたの精神性は勝負事全般に通ずる
競技かるたの世界では最高峰と言われているクイーン戦
その戦いを8連覇した楠木早紀(くすのき さき)さんの著書
『瞬間の記憶力 競技かるたクイーンのメンタル術』
この本には
競技かるたという世界の魅力と
著者が競技かるたを通して学んだこと・感じたことが
経験者にも初めて知る人にもわかりやすく表現されています
競技かるたの本は少ないので
経験者には特におすすめの1冊です
勝つためにはどんな練習をし、どんな心構えで試合に臨めばよいかが
女王の体験を通して繊細に描かれています
この本を読んで感じたのは
競技かるたの精神性は他の様々なことに通ずるなということです
特に仕事・勝負事においては深く通じると感じました
なので本記事では
競技かるたの女王から学んだ
仕事・勝負における心構えを3つに分けてお伝えします
1.ライバルは自分自身
相手の取りを見て「速い」と思うのは、目の前の相手と対戦しているからです。「当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、私はいつも、目の前に座っているのは対戦者ではなく自分だと思って試合をしています。同書p.91
素人の僕でも感じるのですが
競技かるたは自分との戦いです
相手に勝とうが負けようが
自分が満足できる試合ができれば勝ちだと思います
なにより楽しいです
もし、「戦っているのは相手」と考えてしまうと
相手のペースに飲まれてしまいます
自分の中で「相手」が主役になるからです
相手がミスをしたら喜び
相手に負けていたら焦り
相手に勝っていたら油断をし
相手がとても強かったら絶望します
そうなってしまうと
試合中すべてのことに一喜一憂することになり
とても1時間30分(試合時間)も集中力が持ちません
「自分を相手にかるたを取っている」と想定しているので、どれだけリードしていても最後の一枚まで集中力を切らすことはありません。
――(中略)――
どんなことであれ、自分の世界に没頭し、自分自身を向き合って「理想の自分」を追及していれば、誰にも惑わされない深い集中力が生まれてきます。
その集中力をすべて出し切って、自分らしいパフォーマンスができたとき、初めて心から笑うことができる――。私は、そう思っています。
同書p.92-93
女王がおっしゃる通りで
「自分」が主役であれば、心のベクトルも自分に向くので
場がどんな状況になっても落ち着いてプレイすることができるのです
この感覚はスポーツで言えば100m走や水泳にも似ています
そして仕事においても生活においても人と比べず
いつだってライバルは自分自身だという認識でいれば
ペースを崩すこともなくなりますね
2.「相手がどう思うか」よりも「自分はどうしたいか」
「相手がどう思うか」よりも「自分はどうしたいか」を優先するほうがいいと思うのです。
どんなことでも、「自分は別のやり方をしたいけど、セオリーにはこうあるから・・・、あの人にこう言われたから・・・」と思いながらやったことが失敗すると、「やっぱり自分の思ったとおりにやればよかった」と後悔し、誰かのせいにしたくなってしまうのが人間というもの。それで運命戦に負けたとなれば、精神的なショックは計り知れません。
同書p.110-111
「友達にこういわれたからやった」
「親がそうしろと言ったから」
そうやって選んだ道の結果に責任が持てますでしょうか?
誰かの期待に応えるだけの人生に責任が持てますでしょうか?
答えは否なはずです
競技かるたの世界でも同じで
人それぞれの戦法や札の配置があります
「あの人にこうしろと言われたからこう戦っている」
「強い人はみんなこういう配置だから僕もそうしている」
そんな戦い方をしていたらいつかボロが出るのです
勝敗に責任を持てなくなってしまうときがやってくるのです
というより楽しくなくなります
人生の大事な選択を迫られた時も
色んな人の意見を聞くのはとっっっっても大切ですが
最終的には自分が決めた道を進んでいきたいものですね
3.積み重ねの力を信じる
一球一球のつみかさね
一打一打のつみかさね
一歩一歩のつみかさね
一坐(ざ)一坐(ざ)のつみかさね
一作一作のつみかさね
一念一念のつみかさね
つみかさねの上に
咲く花
つみかさねの果てに
熟する実
それは美しく尊く
真の光を放つ
同書p.217-218
これは坂村真民(さかむら しんみん)さんの「つみかさね」という詩で
女王の好きな言葉でもあります
(僕も好きです!)
本当の勝負の時に心の支えになるのは
今まで自分がどれだけ準備を重ねてきたか、という自信だと思います
毎日自分との約束を守り続けていくその積み重ねが
最終場所で自分を信じることが出来る硬い砦になります
仕事で大事な契約を控えているとしても
その日まで人知れず精一杯頑張ってきたのであれば
その契約もきっとうまくいくはずです
やりきったのならば
やりきった自分を信じきるということも戦い・勝負の世界では大切なことです
おわりに
競技かるたって本当に楽しいです
そして本当に奥深いです
競技かるたは一瞬の勝負で
詠まれる札の最初の一文字の子音字の先っぽの戦いなので
その一瞬に全神経を研ぎ澄ませて臨みます
競技かるたをやっているときは
競技かるたの事しか考えられなくなるので
俗世のあれこれを忘れることもできて心の健康にも良いです
それっぽくまとめようと思ったんですけど
競技かるた仲間を増やしたい下心のが強いので
「競技かるたって楽しいよ!!!」
とだけ伝えて終わりにしたいと思います
機会があれば是非一緒にかるたしましょう!